ひまつぶし日記

主に読書まわりのことを書いて暇を潰す日記です。

今年の映画祭は曇天

ドキュメンタリー映画祭関連のメモ。

昨夜は「リヴィジョン/検証」という作品を観てきました。1992年にドイツとポーランドの国境で起きた事件についての映画です。事件について検証するのかと思いきや、検証するのは証人たちの発言。事件から20年経ってから証人たちに事件の証言をしてもらい、それを録音した数分後に本人たちに聞かせるという、不思議なやり方。はじめは何だかよくわからなかったんだけど、観ていくうちにそのことに気づきます。ジプシーに対する差別がこんなにあからさまなものだったのか。全然知らなかった。上映後の質疑応答で監督が「歴史というものがどうやってつくられるか」という言葉がすごく響いた。事件当時の警察の仕事や弁護士の仕事には呆れる。その後の裁判も失敗だし、事件を適当に片付けて風化させようって感じ。そんなことが積み重なって歴史って出来てるんでしょうね。とても面白い映画だった。観て損なし。

さて今日は「庭園に入れば」を観てきました。偶然にもこれまた国境と人種差別が絡む作品。パレスティナとイスラエルの話です。そういう情勢に全然詳しくないから、あんまり理解出来てません。この問題は複雑すぎる。アヴィ監督と友人のアリさんの軽妙な会話から、複雑で根深いパレスティナ問題が浮き彫りになります。アリさんの娘のヤスミンちゃんが可愛かった。そして要所要所でグサッと深いこと言うんですよ、何気なく。イスラエルで暮らしてるけどアラビア語が話せるのがバレて他のクラスの子に意地悪されるって言ってたのが印象深いです。やっぱり子ども同士でもあるんだな。しかしこんだけ深刻なテーマの映画を観た後、そんなにズーンと沈まないのは、きっとアリさんのユーモアのセンスが半端なく高度だからです。頭いいなあこの人!って感心しちゃう。これも観て良かった。質疑応答が中止になったのが残念だったけどね。

明日は「空低く大地高し」「サンティアゴの扉」「パンクシンドローム」を観る予定です。果たしてそんなに観られるのか?(今日も本当は3本観る予定だったが結果1本)気合い入れてこー。